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譜面演奏が苦手なバンドマンへ!楽譜・譜面を間違えずに演奏する9のコツ

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セッションやリハーサルで、急に知らない曲の楽譜・譜面を渡され困った経験はありますか?

「どうしよう、楽譜はちょっと苦手なんだよな…」

「時間をかければ読めなくはないんだけど、初見はムリです!」

「ムリムリ!譜面見るとじんましんが出てきちゃう!」

そんなあなたのために、譜面・楽譜を見ながら演奏するときのコツをお伝えしたいと思います。

ベーシスト目線で書いた記事ですが、ほかのパートの方にも参考にしていただける内容ですので、ぜひご覧になってくださいね。

演奏の前に確認すべきこと

最初にチェックすること

まずは楽譜のタイトルを確認し、全体のページ数や順番を確認しましょう。

違う曲の楽譜と間違えたりしないように注意してくださいね。

続いて楽譜の上部をしっかりチェックします。

具体的には音部記号、バウンス記号(シャッフル記号)の有無、テンポ、拍子、キーを確認しましょう。

半音下げ、ドロップDなどチューニングが変わる場合もありますので、演奏ポジションとあわせて確認しましょう。

また、タイトルからある程度、曲想や曲調が想像できる場合もありますので、イメージを膨らませておくと良いでしょう。

曲全体を大きく捉える

続いて曲全体の構成・進行を確認しましょう。

大事なキメや難易度の高そうなフレーズ、ブレイクや転調などがある場合は、その存在をしっかりとチェックしておきましょう。

なお、難易度の高そうなフレーズの確認など、あまりに一部分のみに注意を注いでしまうと、他の部分の確認がおろそかになってしまう可能性があるので気をつけましょう。

大まかな使用音域を確認する

自分の楽器の最低音より下の音・最高音より上の音が出てこないか確認します。

もし対応できない音域があった場合はオクターブを変えて弾いたり、フレーズをアレンジしたり、場合によってはチューニングを変えたりして対応します。

また、「ここはハイフレットでのフレーズが続くんだな」といったように、あらかじめポジショニングを確認しておくことで落ち着いて対応しやすくなります。

演奏記号を確認する

リピートやダル・セーニョ、コーダなど反復記号の位置を確認しましょう。

ざっくりとでもいいので、始めから終わりまで進行順に楽譜を確認するとミス防止に繋がります。

特に初見(しょけん)演奏では、カッコ付きリピートとダル・セーニョの組み合わせなど、大きく楽譜上を移動する際に現在の演奏箇所を見失いがちです。

見えにくい反復記号はマーカーで太くなぞったり、丸や三角で印をつけたり、色付きのペンなどでマーキングしておくと良いでしょう。

ダル・セーニョは赤丸、コーダは青三角など、自分なりに色や形分けをすると、より見やすくなると思います。

それでも間違えそうな人は、記号の向かう先に矢印を付けておくと良いでしょう。

また、「bis」「8va」や「tacet」といったような記号も見落としやすいため、見つけ次第マーカーでチェックしておくと良いでしょう。

ただし、激しく照明の色が変わる環境で演奏する場合、使用するペンの色によっては見えにくくなってしまうこともあるので気をつけましょう。
特に蛍光ペンは照明で色が飛んでしまい、ほとんど見えなくなってしまうことも多いです。

演奏の際に心がけること

楽譜の少し先を視野に入れる

実際に演奏している部分を見ながら、同時に先の展開を視界の中に捉える意識を持ちましょう。

いま演奏している部分だけを見ていると、難しいリズムやフレーズが出てきたときや、大きく楽譜上を移動する際にあわててミスが生まれやすくなります。

例えば同じコードやフレーズの繰り返しが続く際など、余裕のあるときにリピートやダル・セーニョ、コーダなどの位置を確認しておくと、展開を見失いにくくなります。

また、先を読むことでセクションの切替、難しいフレーズやキメに対しての心構えができるため、演奏に余裕や深みが出て表現力が増してくるでしょう。

難易度の高い部分への対処例

もちろん指定通りに演奏できることが望ましいのは言うまでもありません。

しかし、

  • 難しいフレーズばかりに気を取られて曲全体の流れが聴こえなくなる
  • せっかく難しいフレーズが弾けても、終わり際の反復記号を見落とす(特にソロ終わり等)
  • 一部分に気をとられ、他の部分がおろそかになってしまいながら演奏する

そんなときには、思い切って難しいフレーズを「それっぽく」省略・アレンジする方が良い場合も多いでしょう。

特にベーシストが曲の流れを見失ってルートを外してしまうと、ご存知の通り、サウンドを土台からひっくり返してしまうくらい破壊力のあるミスになります。

覚えておくと役に立つTIPS

セクションの変わり目を分かりやすくする

例えば歌ものの場合、Intro・Aメロ・Bメロ・サビ・Soloなど、構成が分かりやすく表記されていると、曲を通してのダイナミクスの付け方や、万が一演奏箇所を見失ったときのリカバリーをする際、非常に参考になります。

リハーサルマークが頭から順番にA・B・C・D・E・F…と続いていくタイプの楽譜の場合「セクションの変わり目が分かり難いな」と思ったときは、自分で分かりやすいように書き足すと良いでしょう。
リード楽器の名前を書いたり、歌ものの場合は歌詞を書いたりするのも一つのアイディアです。

ただし、元々のリハーサルマークを完全に消してしまうと、他のメンバーとのやりとりの際、ややこしくなってしまう場合があるので気をつけましょう。

また、セクション終わりの複縦線をマーカーでなぞって強調すると、リハーサルマークと共にセクションの移り変わりを教えてくれるので、さらに展開の分かりやすい楽譜になります。

人によってコード表記の仕方はさまざま

楽譜の作成者によって、コード表記にはさまざまな種類があります。

日頃からおおよその表記方法に慣れておくと良いでしょう。

◆コード表記の一例
 マイナーコード:m、-、min
メジャーセブンスコード:M7、△7、Maj7、maj7
ディミニッシュコード:dim、○  など

さらに特殊な例では、X4(Xにはアルファベットのコードネームが入る)と書いてあった場合 4度堆積コード(例: C4=C、F、B♭)を表していたり、
X5と書いてあった場合、3度を省略する omit3rd(例: D5=D、A)を表していたりすることもあります。

また、手書きの楽譜の場合、書き手のクセによっては♭と6の区別がパッと見では難しかったり、アルファベットのDに横線が入っていたりします。

くわえて文字が汚かったりすると、Dであるはずの文字が一瞬BやEやAに見えてしまう…ということもありますので、これらもあらかじめ確認しておくと良いでしょう。

楽譜の修正・書き込みについて

もし文字が汚かったり、コピーの際にかすれて読みにくい部分があった場合、読みやすく書き直しましょう。

スタッカートの「・」も消えやすいので注意して見てみましょう。

その場ですぐに演奏しなくてはいけないときも、大事なキメやフレーズ、どうしても読み違えるコードだけは急いで書き直しましょう。

絶対に間違ってはいけない部分はマーカーで色を付けたりして、自分で分かりやすいように強調すると安心です。

書き込みの際、水性ペンで書くと、少し濡れただけで滲んで読めなくなってしまうことがありますので、油性ペンで書くと良いでしょう。

後で消して清書したい場合や書き直しが想定される場合には「パイロット フリクションシリーズ」などの消せるペンを使用するのがオススメです。ただし、真夏の炎天下の中に譜面を置いておくと、たまに熱で書き込みが消える事もありますので、夏の野外や気温の高いところに譜面を置く場合は使わない方が無難でしょう。

また、書き直しの際は修正液や修正テープがあると便利です。

最近では「貼ってはがせる五線テープ」というものもありますので、試してみるのもいいかもしれませんね。

もし楽譜演奏の可能性がある場合や楽譜を持ち歩く際は、筆記用具セットも用意しておきましょう。

また、演奏中に何か気づいた事や変更点がある際は、その場で楽譜に書き込んでおくと忘れることもなく、後で内容を振り返る時にも便利です。更にセットで音源を録音しておけば完璧ですね。

終わりに

以上のような事柄をあらかじめ確認しておくことによって、演奏に余裕が生まれます。

そして楽譜への苦手意識が無くなると、知らない曲でも演奏することができるようになり、より多くの楽曲に触れることができるようになります。

ただし、楽譜は演奏の際の「絶対的な指標」ではありません。

作曲者の思い描いた音や情景・感情を、全て楽譜に載せることは不可能です。

限られた情報から楽譜の向こう側に込められたものを自分なりに解釈し、出来る限り最高の形で表現しましょう。

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