ご覧いただきありがとうございます。ねこつばめです。
この記事は「難聴の時こそ音楽を聴こう!」という音楽療法の情報と、療法実践の際にオススメの音源10選について書かれたものです。
特に音源は実際に難聴の筆者が選んだものですので、同じ難聴患者の皆さんに喜んでいただければ嬉しく思います。
もちろん難聴じゃない方、癒やしの音楽を探している方、自律神経を整えたい方にもオススメですので、どうぞごゆっくりお楽しみください。
この記事の目次
難聴時における音楽療法のススメ
僕が低音障害型感音難聴(後にメニエール病と確定)に苦しんでいた時、様々な病院・治療院を巡ったのですが、そのうちほとんどの医師に「できるだけ音を聞かないようにしてください」と言われてきました。
ところが、近年の実験で「難聴患者は積極的に音を聞いた方がいい」という実験結果が判明した模様です。
自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)のチームが、原因不明で急激に聴力が低下する「突発性難聴」の患者を対象に、聞こえにくい耳を使ってクラシック音楽を聴き続けてもらう実験をした結果、高い治療効果があることを突き止めた。29日、英科学誌電子版に発表した。
生理研によると、日本での突発性難聴の年間受診率は1万人当たり3人で、増加傾向にある。現在はステロイドでの治療が中心で、チームの岡本秀彦特任准教授(神経科学)は「安価で副作用のない新たな治療法につながる」と期待している。
要約すると、
「難聴になった耳で音を聞かないと対応する脳・神経の働きが衰え、更に聞こえが悪くなる悪循環に陥る」
この脳の働きを活性化させるため、
「正常な方の耳を塞いで、悪い方の耳で毎日約6時間クラシックを聴き、日常生活音も全て悪い方の耳で聞いたところ、高い治癒効果があった」
ということですね。
さらに、
「リラックスできる音や音楽を聞くことによってストレスが軽減され、自律神経を整え、血流を改善する」
という効果もあるようです。
これを知ってから僕自身もこの治療法を試してみたのですが、確かに全く生活音・音楽を聴かないようにしていた時期より、積極的に生活音・音楽を聴くようにしてからの方が耳の調子が良いと感じました。
現在通っている大学病院の主治医の先生(とても勉強家で、最新の医学にも精通している上に人格者)も、この実験と同じく耳を使ったほうが良いとおっしゃっていました。
もし中々治らない難聴に苦しんでいる方で、これまでできるだけ生活音・音楽を聴かないようにしていた方は、是非この治療法を試してみてくださいね。
参考 なぜ難聴にクラシックが効くのかを考察してみました。興味のある方はご覧ください。
実際何を聴けばいいの?そんな方にオススメのクラシック
ただ、一口にクラシックといえど「どの曲を聴いたらいいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
それに楽曲や楽器の音色・音域・ダイナミクス(音の強弱・音量の上下)によっては、難聴の耳では聴いているのが辛い曲も多いんですよね。
そこでこの記事では「難聴の耳でも聴きやすい音楽」を実際に難聴の僕が選んでお届けしたいと思います。
※難聴の種類や個人差によって感じ方が違うかもしれません。予めご了承ください。
難聴治療と言えば!モーツァルト
モーツァルトの曲は、一説には血圧や心拍数を安定させ、リラックス効果が高く、更に3500Hz以上の高い周波数音や倍音がバランス良く含まれていると言われています。(ドラムのシンバルなんて20000Hz以上出たりするぞ!と思っちゃうのはバンドマンの性でしょうか 笑)
一部では「難聴治療にはモーツァルト」とまで言われていたりします。
この動画はピアノ曲、フルートやハープの曲、ホルンの曲、オーケストラ曲など、様々な種類の楽曲が一つの動画で楽しめるので、耳・脳神経に多様な刺激を与えられそうです。
しかも好きな曲にジャンプできるトラックリストのリンクもあるのでオススメです。
音楽の父、バッハのリラクゼーション
ご存知バッハのリラクゼーション曲集。こちらもトラックリスト付き。
この動画もヴァイオリンやハープシコード、フルートなど色々な楽器がメインの楽曲が聴けます。
こちらも音量バランス、ダイナミクス的にはもちろん、音色的にもアタックが優しいものが多く、聴きやすくてオススメです。
ちなみに僕はバッハのようなバロック音楽を聴くとドラクエを思い出します 笑
ドラクエもいい曲多いですよね~。
筆者お気に入りドビュッシー
お次は僕の好きなドビュッシー。
特にアラベスク、月の光、亜麻色の髪の乙女が好きです。
ピアノ曲のみで構成されていますが、こちらも比較的穏やかな曲が集まっていますので、大きな音が辛い方でも大丈夫なのではないでしょうか。
ただし、中にはピアノのアタック音が辛いという方もいると思いますので、合わないと思ったら無理に聴かないようにしてくださいね。
こちらもトラックリスト付きです。
クラシカル・チルアウト
チルアウトとは英語で「落ち着く・冷静になる」という意味のスラングです。
また、「チルアウト」は音楽ジャンル名であると同時に、ダンスフロアで火照った客の体を落ち着かせるための音楽という意味もあります。
この動画もチルアウトの名前の通り、落ち着いた印象の曲が中心です。
この動画にもトラックリストがあるので好きな曲を選べます。
ショパン、ベートーヴェンなど色々な作曲家のオムニバス
こちらはショパン、ベートーヴェン、バッハなどの楽曲の中からリラックス効果の高いものを厳選した動画。
さすがリラクゼーションと銘打っているだけあって、全編通して聴き心地の良い、耳に優しい印象です。
ただし曲によっては音量差が大きいものもありますのでご注意ください。
例によってトラックリスト付き。
自律神経を整えるヒーリング音
ここまではクラシック音楽を紹介してきましたが、ご覧になっている皆さんの中には
「音程が変に聞こえてしまうので、普通の音楽を聴くと気持ち悪い」という方もいらっしゃるかと思います。
僕もひどい時は音程がズレたり変にハモったりして気持ちが悪い状態が続きましたので、その心情がとても良く分かります。
そこで、この項ではリラックスできる自然音の動画をご紹介したいと思います。
自然界の音が私達の心を落ち着かせてくれるのは、きっと皆さんも体験したことがありますよね。
また、耳鳴りが酷い時にこのような自然音を聴くと、耳鳴りを和らげてくれる効果がありますのでお試しください。
波の音だけ11時間!
副交感神経を優位にし、自律神経を整える作用がある自然音の中でも、最も効果の高いのがこの波の音だそうです。
なんとこの動画は11時間、ひたすら波の音のみが流れる動画になっています。
睡眠導入にも最適ですし、読書など作業の邪魔にもなりませんので是非試してみてください。
僕は先述のクラシックと同時に流して「癒やし効果倍増だぜ!」なんてやってたりします 笑
川のせせらぎと鳥のさえずり
こちらも清涼感のある自然音。どーんと8時間のボリュームでお届けします。
ハイキングや水遊びがしたくなるような素敵な川辺ですね。
流れる水音と鳥の声に心が洗われるようです。
川の流れや風に揺られる木々の動きが実際に動画で見れますので、視覚的なリラックス効果も期待できそうです。
先述の波の音もそうですが、暑い季節に聴くと少しだけ涼しくなれるかもしれませんね。
風にそよぐ木々
僕が一番耳鳴りがひどかった時は、耳鳴りの大きさのあまり、ろくに眠ることもできませんでした。
そんな時、一番気に入っていたのがこの「風にそよぐ木々」の音でした。
この音を流していると、少しだけ耳鳴りが軽減されたように感じるんですよね。
恐らく僕の耳鳴りと木々の音の周波数の特性が近かったんだろうなと思っています。
なんとこちらは10時間の大作となっております。
細胞を修復する?!ソルフェジオ周波数
皆さんはソルフェジオ周波数をご存知でしょうか?
ソルフェジオ周波数には自律神経の回復、トラウマの軽減、リラックス効果など、周波数によって様々な効果があるそうです。
中でも528Hzにはストレス解消、リラックスなどの効果の他に、細胞の修復や病を治す効果があり、またの名を「愛の周波数」とも呼ばれています。
ただし、よくあるソルフェジオ周波数動画の528Hzの音を単体で聞くと意外と耳にきつく、聞き疲れしてしまうんですよね。
そこで、雨や風の音と、適度な旋律の入ったこの動画をオススメします。
ソルフェジオ周波数の効果について真偽の程は分かりませんが、僕はこの音源を聴いていると、若干耳の状態が良くなる気がしているので毎日のように聴いています。
耳をエージング?ピンクノイズ
ピンクノイズとは、いわゆるテレビの砂嵐に近いような音です。(地デジ化を機に砂嵐はなくなったようですが)
この特徴的なザーザー音には、一部のクラシックや自然音と同じく1/fゆらぎが含まれているそうです。(1/fゆらぎとは、規則正しい音と規則性がないランダムな音との中間で、人間に癒やし効果を与えるゆらぎのこと)
また、ピンクノイズはエージング(音楽を流すことによってスピーカーのエッジやエンクロージャーを馴染ませ音質を向上させる作業。信憑性については諸説あり)に使われることもありますので、耳や脳・神経にも何らかの影響を与えてくれそうな気がします。
今回はピンクノイズの中でも、非常に優しい音のこちらをチョイスしました。
これも耳鳴りをごまかすのに向いていそうです。
たっぷり10時間あるので「ながら作業」用にどうぞ。
終わりに
以上で動画紹介は終わりになります。お気に入りの動画は見つかりましたでしょうか?
ここでは僕の好みの動画を紹介しましたが、病状や体調などによって聞こえ方に個人差があると思いますので、自分に合った動画や音源をご自身でも探してみてください。
「どんな音を聞けば良いのか分からない」という方は、「聞いていて心地よい音かどうか」が判断基準のポイントになると思います。
心地よく感じられるのであれば、少なくともマイナスに働くことはないかと思いますので、無理のない範囲で積極的に音を聞いてみてください。(もちろん適度な音量で聞いてくださいね)
しかし、もし聞いていて不愉快に感じた時は、無理をせずに音を聞くのを止めたほうが良いでしょう。
せっかくの癒やし音源も、それを聞く事でストレスを溜めてしまっていては本末転倒です。
もし良い動画や音源が見つかったら、僕にも教えてくださると嬉しいです。
それでは、あなたの耳の状態が、少しでも良くなりますように。